あるところに仲のよいご夫婦がおられました。
お二人は子宝には恵まれませんでしたが、一生懸命に働き長崎市郊外の新興のニュータウンに小さな平屋を建てました。ご主人は庭いじりが大好きで、自分で植えた松の木を自分の子供のように大切に育てあげました。夏でも冬でも、その青々とした凛々しい姿を見てご主人はどれほど誇らしかったことでしょう。

あるとき、ご主人は病気で動けなくなってしまいました。大好きな庭いじりもできなくなりました。ご主人の悲しみは大きく、その落胆振りは見るに耐えないものがありました。

奥様は、ご主人のために家を増築しました。大好きな松の木がよく見えるところに、大きな窓のあるご主人用の部屋を造ったのです。窓が大きいので、冬には寒くならないように床下暖房をつけてあげました。ご主人はとても喜んだそうです。ご主人が亡くなった後も、奥様はその木を見るたびに、ご主人のことを思い出すことができました。

奥様の妹様のご依頼で、弊社にて“生前整理”をさせていただきました。
お家は“リフォームお立替サービス”をご利用いただいて“リフォーム済物件”として売却させていただきました。
築40年くらいでしたが、あの“松の木”同様、手入れの行き届いた、状態の良いお家でした。

購入されたご家族の小学4年生になる娘さんの一番のお気に入りは意外にもあの“松の木”だそうです。奥様は現在、90歳を越えたお姉さまと一緒に、静かでサービスの行き届いた施設で暮らされています。

弊社の“生前整理”及び“リフォーム立替えサービス”をご利用頂き、誠にありがとうございました。スタッフ一同、本当に有意義な仕事をさせていただき大変感謝しております。